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者を混同している例で、車いす利用者にとっては床面は平滑な方がよいから誘導ブロックはむしろ妨げになる。
5)現状の多くの駅で、警告ブロックは次の箇所に設けられている。
a.階段の上り口
b.階段の下り口
c.階段の踊り場
d.ホーム縁辺部
e.誘導ブロックの分岐点
f.トイレ入口、エレベーター入口、エスカレーター前
g.券売機前、触知図式案内板前

 

2. 障害者による評価
1)同行調査の2名の被験者の場合、特に誘導ブロックについて、
a.複雑すぎて理解できないので、日頃から利用していない(全盲者)。
b.忠実に辿った結果大巾に迷い、偶然居合わせた駅関係者の助言を得てようやく動線を回復した(1級弱視者)。
との結果であった。
2)一般の視覚障害者の単独歩行の場合、誘導・警告ブロックを活用している人も多いので、この調査結果が誘導・警告ブロックそのものの否定にはつながらない。
3)理解できなかったり、辿って迷う原因には、
a.誘導ブロックの敷設ルートに分岐が多く、分岐後のそれぞれのルートの進行方向がわからない。
b.分岐点のあることが、正確に伝わらない。
c.敷設の仕方に誘導ブロックと警告ブロックの混在があって、ブロックによる情報意味が正確に伝わらない。
などが考えられる。
4)即ち誘導・警告ブロックは障害者からその存在について評価されているが、敷設の現状には種々の混乱がみられ、具体的なブロックの表現方法や敷設方法等において問題点が多いことが指摘できる。

 

3.誘導ブロックの性能条件
誘導ブロックの性能条件は次のように整理できる。
1)全盲者及び明かりをわずかに感じることのできるレベルの弱視者が介助なしに単独歩行したいニーズに応えうること。
2)歩行範囲を漠然と示すのではなく、駅出入口・ホーム間を安全確実に、かつ最少の負担で移動できるルートを明示すること。

 

 

 

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